見逃し配信でドラマやテレビ番組の視聴スタイルが変化する?

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ドラマをリアルタイムで視聴していると「TVer」のCMを目にすることも増えてきましたね。ドラマを見逃しても「TVer」を使えば放送から7日間は無料で番組を見返せる便利なサービスなので、実際に「TVer」を利用したことがある方も多いのではないでしょうか。

本サイトでは、いつもは「フールー(Hulu)」や「フジテレビオンデマンド(FOD)」で見逃し視聴できるドラマの紹介を行っているのですが、今回は見逃し視聴を10年前から本格的に導入しているイギリスを例に、日本国内で今後のドラマ視聴の環境の変化について予想してみたいと思います。

イギリスにはテレビ局はいくつあるの?

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<出典 : http://matome.naver.jp>

イギリスのテレビ局といえば、世界で最初にテレビ放送を行ったBBC(英国放送協会)が有名ですが、イギリスのテレビ局の数は日本に比べて少なく、先に述べた「BBC」のほかには主要テレビ局は「チャンネル4」、「ITV」、「チャンネル5」の合計4局です。ちなみに、日本は民放の「TBS」と「日本テレビ」、「フジテレビ」、「テレビ朝日」、「テレビ東京」と公共放送局「NHK」の合計6局あります。

BBCは日本でいえばNHKに該当するテレビ局で、情報(報道)や教育、娯楽の提供を目的にした公共放送局です。余談ですが、BBCが制作したドラマの品質は非常に高く、日本人好みの登場人物の感情や日々の移り変わりを繊細に描いているのが特徴です。

イギリスは日本よりも一足早く「見逃し配信」を開始

イギリスでは日本より10年早い2006年にテレビ放送の見逃し配信(インターネットを使った番組配信)を開始しました。そこで、見逃し配信先進国のイギリスのテレビ視聴環境がどのように変化したのかをいくつかの代表的な事例からご紹介します。

スマートフォン/タブレットの普及

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総務省「ICTの進化がもたらす社会へのインパクトに関する調査研究」

日本でもそうだったように、イギリスでもスマホが普及する前はほとんどの人が携帯電話を利用していました。携帯電話はテレビを視聴できる「ワンセグ機能」を持っているのですが、これは携帯電話に内蔵されているアンテナが、テレビ放送波(地上デジタル波)を受信してテレビ放送を表示する機能でした。

しかし、スマホやタブレットにはアンテナがありません。そのため、テレビ以外に番組を視聴できる視聴手段が必要でした。そこで登場したのがインターネット上で見逃した番組を視聴できる「見逃し配信」です。

スマホの登場にあわせて登場した「見逃し配信」ですが、すぐにそのサービスが受け入れられた理由はスマホやタブレットの画面が関係しているといわれています。つまり、スマホやタブレットがテレビ放送の視聴に耐えられる画面の大きさだったために、イギリス国民にスマホやタブレットで気軽に利用できる「見逃し配信」が普及したということですね。

私も携帯電話を使っているときは帰宅中などにワンセグでテレビを見ていましたが、画面が小さすぎて何が起きているのかが分からないことがよくありました(笑

年齢別のテレビ・動画の視聴方法は?

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(出典:Ofcom, Communications Market Report 2015)

年齢別にテレビ・動画の視聴スタイルを確認すると、若い世代ほどテレビを見る割合が少なく、無料見逃し配信やレンタルDVDや有料動画サービスを利用しているが分かります。

16~24歳はリアルタイムでテレビを見ている時間は丁度50%なんですね。そのほかは録画で番組を見たり、無料・有料のインターネット配信で番組を楽しんでいます。つまり、テレビの前で過ごす時間は少なくなり、スマホやタブレット、パソコンを利用している時間が若者を中心に急激に増えているのです。

イギリスでの有料の動画配信サービスの活動は?

イギリスでは動画配信サービスの「Netflix」は2012年、「Amazonプライムビデオ」は2014年からサービスを開始しています。両サービス共に世界最大級で、日本でも2016年に本格的にサービスを開始したことで話題になりましたね。

先に述べたようにイギリスでは2006年からBBCや民放各局が見逃し配信のサービスを順次開始していたので、スマホやタブレット、パソコンを利用した動画視聴の環境ができていました。そのため、インターネットを利用して動画を提供する動画配信サービスは、イギリス国民からはすんなり受け入れられたようですね。

テレビ局と有料の動画配信サービスの関係に目を向けると、テレビ局と動画配信サービスが共同でドラマを制作したり、各テレビ局が所有する番組や映像を海外市場向けに動画配信サービスに販売するような『協力関係』にあるようです。

ただし、「Netflix」や「Amazonプライムビデオ」は豊富な資金力でテレビ局の番組制作の下請けだった映像制作会社を買収して、配信コンテンツの独占を目指しています。また、若年層のネットを利用した番組・動画の視聴スタイルの普及によって、テレビ局と有料動画配信サービスの関係は『協力関係』から『競合関係』へと変化するでしょう。

日本の見逃し配信の取り組みは?

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出典 : fatherlog.com

日本でも2016年あたりから地上波のドラマ放送中に「TVer(ティーバー)」のCMをよく見るようになりました。TVerは主要民放各局が合同で出資して2015年10月26日に立ち上げたサービスで、テレビ放送から7日以内の番組を無料で見逃し視聴できるサービスを提供しています。ちなみに、イギリスの無料見逃し配信は放送から30日間なので、TVerももう少し頑張ってほしいものですね!

TVerのメリットは?

TVerは7日間とはいえ、無料で見逃したドラマを楽しむ方法を持たなかった私たちにとってはありがたいサービスですよね。実際、TVerの利用者は急増中で、今ではリアルタイム&録画での視聴をやめて、TVerを使ってドラマを楽しんでいる人も増えたようです。

それにTVerはインターネットサービスのために「テレビがなくても番組を見られる」「自宅にいなくてもドラマを視聴できる」といったメリットもあり、今後はますます利用者が増えると予想されています。

民放各局がオンデマンドで番組を配信開始

民放各社はTVerの設立と並行して、自社の所有する現在放送中&過去のドラマやバラエティ番組を配信する動画配信サービスも立ち上げているので一覧にまとめてみました。

 TBS日本テレビフジテレビテレビ朝日テレビ東京
サービス名TBSオンデマンド日テレオンデマンド
(Huluとも連携)
フジテレビオンデマンドテレ朝動画テレビ東京オンデマンド
配信動画自局制作ドラマ
映画(少な目)
韓流・華流ドラマ
自局制作ドラマ
映画(少な目)
自局制作ドラマ
映画(少な目)
自局制作ドラマ自局制作ドラマ
見逃し配信
視聴料金
(税抜き)
月額900円視聴動画を月額(4種類)で付与されるポイントで購入
・300円で315P
・500円で525P
・1,000円で1050P
・2,000円で2100P
月額888円動画ごとに視聴の都度に個別購入動画配信無し
(U-NEXTやAmazonビデオで動画配信中)
雑誌・コミック
読み放題
××××

この中で特にオススメなのはフジテレビオンデマンド(FOD)です。フジテレビは月9に代表される名作ドラマを多く制作していて、見ごたえがあって楽しめるドラマを多く所有しています。さらに、料金体系も月額888円を払うことでほとんどのドラマやバラエティを制限なく視聴できるのも魅力です。

ちなみにドラマなどの動画を視聴の都度購入する料金体系の動画配信サービスでは、通常1話が200円~300円が相場です。そのため、1ヶ月で4話以上視聴するなら月額を払うだけで見放題になるフジテレビオンデマンドかTBSオンデマンドがコスパの面でも優れています。

日本テレビは動画配信サービス大手のHuluを買収

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先ほど紹介した日本テレビは日本テレビオンデマンドを運営していますが、世界トップクラスの動画配信サービス「Hulu」とも提携しています。そのため、日本テレビオンデマンドで見られるドラマは基本的にはHuluでも視聴できます。

Huluは世界各国のテレビ局や映像配給会社と提携していて、全世界の映画やドラマが楽しめます。その視聴可能な作品数は日本の既存の動画配信サービスの中でもトップクラスで、海外のドラマ・映画を楽しむだけなら、Huluに入会するだけで十分なほどです。

日本でも若者のテレビ離れが深刻

イギリスでもそうだったように、日本でも若い世代のテレビ離れが起きています。当事者のテレビではあまり語られない話題ですが、ネットニュースや雑誌などでは「番組の視聴率が低下している」と目にしたことがある方は多いのではないでしょうか。

しかし、イギリスでは見逃し配信の導入から「番組をリアルタイムで見なくなった人」は増えましたが、テレビ局が制作した番組自体を見なくなったわけではありません。つまり、リアルタイムでドラマなどの番組を視聴する代わりに「有料・無料の動画配信サービス」で”リアルタイムではないタイミング”で視聴しているんですね。

ではなぜ日本ではテレビ離れが騒がれているのでしょうか?

そもそも視聴率って何?

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視聴率とは『リアルタイムでテレビ番組を視聴している世帯数の割合』を数値化したものです。

日本の視聴率を調査しているビデオリサーチ社が、ランダムに選出した世帯のテレビに視聴チャンネル計測用の機器を設置。その機器からはテレビをつけているか、つけているなら1分ごとにどのチャンネルを見ているかがリアルタイムに送信されます。ビデオリサーチ社はその機器から送られてくる全世帯のデータを集計して、番組の視聴率として発表しているんですね。

ちなみに、機器が設置された世帯には謝礼金が支払われるようですが、それがいくらかははっきりとは分かりませんでした。

視聴率にこだわっているのは民放テレビ局

番組視聴者にとって見ている番組さえ面白ければ、視聴率が高かろうが低かろうが関係ありません。それではなぜ「視聴率の低下」が騒がれているのでしょうか?

なぜなら視聴率はテレビ局の収入に直接関わってくる数値だからです。テレビ局の収入とは、主にCMを番組の合間に挟むことで得られるCMスポンサーからの広告収入です。これは真偽は不明な情報ですが、下記のような式でテレビ局の広告収入が算出できるようです。

【視聴率】10%
【CM1本の料金】15万
10% × 15万 = 150万

【CM合計時間】2分(2分 ÷ 15秒 = 8回)
150万 × 8回 = 1,200万円

【CM挿入回数】5回~7回
1,200万円 × 5~7回 = 6,000万円~8,400万円

つまり、10%の番組を制作すると番組中に挟むCMだけで6,000万円以上の利益になります。もし、視聴率が5%なら広告収入も半分の3,000万円になってしまいます。

ここで注目したいのは、視聴率以外の数値はほとんど変更できない点です。例えば、CM合計時間を2分から4分にしたり、CM挿入回数を5回から10回~20回にすると、CMが多くなりすぎて番組が破綻してしまいますね。そのため、テレビ局は収入を増やすためにとにかく視聴率に固執するのです。

視聴者から見た視聴率

テレビ番組の面白さを計る指標は「視聴率」でした。しかし、現在は多様な視聴スタイルがあるため、純粋に「視聴率が高い番組=面白い番組」とは言い切れなくなっているのが現状です。特にフジテレビの月9ドラマのメインターゲットは、見逃し視聴を多く利用する10代後半~20代の男女のために視聴率は低くなりがちなのが現状です。

もし正確な「番組を見た視聴率」を把握するためには、現在ビデオリサーチ社が計測している「リアルタイム視聴数」のほかにも「録画視聴数」と「無料・有料の動画配信サービスの見逃し視聴数」を考慮する必要がありそうですね。

動画配信サービスが独自番組を制作

HuluやNetflixなどのテレビ局ではない月額有料の動画配信サービスも、現在ではテレビ局と同様にドラマやバラエティを制作しています。制作本数自体は多くないですが、豊富な資金力でテレビ局以上の予算をかけて豪華キャストが出演したり、地上波では放送できないような今までにないタイプのドラマを制作しています。

日本のテレビ視聴スタイルはどうなるの?

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イギリスでもそうだったように、日本でも番組の「見逃し配信」が開始されたことでリアルタイムで番組を視聴する人が減るでしょうね。日本ではこれからの時代はネットでテレビ番組を見る時代になるはずです。

私自身もテレビの利用時間は激減していて、テレビをつけているのは食事のときぐらいです。情報収集はネットニュースの方が自分の興味のあることを効率的に取捨選択しやすいので、ニュース番組すらもテレビでは見なくなりました。

まとめ

現在放送中のドラマもすぐに「見逃し視聴」ができることで、特定の時間にテレビの前にいる必要がなくなりましたね。私は2012年あたりからテレビをほとんど見ないで動画配信サービスでドラマや映画、バラエティを楽しんでいます。実際に皆さんの中にも「最近はテレビをつけなくなった」と感じている方は多いのではないでしょうか。

私がテレビから動画配信サービスに乗り換えた理由の1つが「CMが多い&長すぎて地上波でドラマやバラエティを視聴するのが辛かった」ことでした。2000年頃はCMはどんなに長くても1分半を越えることはなかったと記憶していますが、先日テレビをつけてCMの長さを測ったら2分半になっていました。これではテレビを見る人が少なくなっても仕方ないですよね。

さらに最近ではテレビ局がCM中にチャンネルを変えさせないように、「視聴者が一番見たい&知りたい」場面の直前でCM入りするようになり、番組視聴中にウンザリさせられることも増えてきました。

テレビ局を持たないHuluやNetflixなどの動画配信サービスに目を向けると、独自にドラマやバラエティ番組を制作して自サービス内で配信しています。そのため、視聴者が面白いと感じる番組(動画)の提供者という意味では、テレビ局と動画配信サービスの垣根が曖昧になっている気がしますね。

視聴者の数が減っていることでテレビ局が潰れることはないとは思うのですが、近い将来は動画配信サービスもテレビ局のライバルになりえるため、より一層の良質な番組作りが求められているのだと思います。今のように視聴者が減ったことで広告収入が減り、それを補うためにCMの時間を増やすことでテレビ離れを加速させるような『負のスパイラル』からは一刻も早く抜け出す必要があるでしょう。

長くなりましたが、みなさんのこれからのテレビや動画配信サービスとの付き合いの参考になれば幸いです。

ちなみに国内の動画配信サービスを全て試した私がオススメするのは下記の2サービスです。興味がある方は、本サイトで各サービスの特徴やメリットについて分かりやすく紹介しているページも用意したので、目を通してみてくださいね。

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